膝のしこりは【悪性軟部腫瘍】の可能性あり!
2017/12/24
何気なく触った膝にしこり!
心配になりますよね!
膝にできるしこりは、その多くがあまり心配しなくても良いものです。
しかし稀に悪性のしこり(がん)を発症する場合があります。
悪性しこりは早期治療開始が必要!
ですので、しこりを触って「もしかして悪性?」と疑えることが大切になります。
今回は、すぐに診てもらった方が良い【悪性軟部腫瘍の疑い方・特徴】を中心に、
受診科や治療法などについて分かりやすくお伝えします。
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1 膝の【悪性軟部腫瘍】の疑い方
それではさっそく本題です。
<膝の悪性しこり、症状の特徴>
ここでは膝にできる悪性しこり:「悪性軟部腫瘍」の症状の特徴についてお伝えします。
悪性軟部腫瘍は皮下組織や筋肉などの軟らかい組織にできるがんで、
その症状の特徴は、
・しこりに痛みを伴わないケースが多い
・しこりが比較的硬い
・しこりが短期間に大きくなる
・5cm以上(ピンポン玉を超える)は悪性の可能性がある
・神経やその近くに発生した場合、しびれ・麻痺を感じることがある
・膝関節に近い筋肉にできた場合、膝が曲がりにくくなることがある
・皮膚に近い部分にできた場合(皮膚線維肉腫など)皮膚の変色・潰瘍になることもある
また悪性軟部腫瘍の症状は、良性の「脂肪腫」と以下の点で似ています。
- 痛みを伴わないケースが多い
- しこりが5cm以上になることがある
- 腫瘍ができる深さ
<悪性軟部腫瘍を疑うポイント>
脂肪腫と似ている症状を除くと、悪性軟部腫瘍を疑うべきポイントは、
- しこりが短期間に大きくなる(週単位)
- しこりが硬い
この2つがそろっている場合、悪性を疑ったほうがよさそうです。
※上記はあくまでも傾向で、悪性軟部腫瘍の確実な症状ではありません。人によっては別の症状がでる場合も考えられます。
また腫瘍が大きくなるスピードおよび硬さにつきましても、自分で判断しにくい部分もあるかもしれません。
しこりが痛くないため、大きくなって(がんが進行して)やっと病院に行くケースも多いそうです。
治療が遅れると、治療後に生活が不自由になることも。
しこりが短期間に大きくなって硬い場合は、悪性を疑って、早目に専門医療機関を受診されることをお勧めします。
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ではもし悪性が疑われるしこりが見つかったら、何科で診てもらえばよいのでしょうか?
2 膝の悪性軟部腫瘍を疑ったら何科?
膝にしこりができた時は、皮膚科?外科?整形外科?と迷われる方も多いと思います。
ましてや悪性のしこり(がん)が疑われるときは、がんの専門医療機関?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
現状では、軟部腫瘍の専門医はなかなかいらっしゃらないようですが、
悪性軟部腫瘍が疑われる場合は、最初に整形外科の腫瘍を専門とする医師がいらっしゃる病院を受診されるのが良さそうです。
悪性軟部腫瘍は進行が速く、肺などに転移しやすいため、早期治療開始が大切です。
最初から上記の整形外科で診ていただくことをお勧めします。
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ここまで悪性軟部腫瘍の疑い方、症状について見てきましたが、そもそも悪性軟部腫瘍とはどういったものでしょうか?
ひき続き、悪性軟部腫瘍についてもう少し詳しくご紹介します。
3 悪性軟部腫瘍とは?
悪性軟部腫瘍は別名「軟部肉腫」とも呼ばれています。
骨や内臓を除く、筋肉や皮下組織にできる悪性の腫瘍(がん)です。
胃がんと比べると、患者数は圧倒的に少なく、約1/60。
全身のどこにでも発生する可能性はありますが、特にできやすい部位は、
- 大腿部
- 殿部
- 膝から足首までの部分
- 上腕部
- 腕のひじから先の部分
- 腰背部
軟部肉腫は皮下組織や筋肉などの軟部組織と言われるところから発生する悪性腫瘍です。全身のあらゆる部位に発生し、約60%は四肢(うち2/3が大腿部などの下肢)に発生すると言われています。
引用:国立研究開発法人国立かん研究センター希少がんセンター 軟部の肉腫とはより
http://www.ncc.go.jp/jp/rcc/01_about/soft_tissue_sarcomas/index.html
(2017/08/27)
<軟部腫瘍の原因>
軟部腫瘍の原因は、はっきりとは分かっていませんが、近年の研究から、遺伝子の変異が関わっているのではないかと指摘されているそうです。
また、他の病気の治療で行われた放射線治療で、放射線が当てられた場所に悪性軟部腫瘍ができた事例もあり、放射線も一つの原因と考えられています。
<悪性軟部腫瘍の検査・診断>
悪性軟部腫瘍の検査には、2つの検査が行われます。
- 画像検査:X線撮影、CT、MRI、PET-CT
- 病理組織検査:腫瘍の一部を採取して検査
上記の検査に加えて、正確を期すために遺伝子検査を行う場合もあります。
がんの血液検査には、がんが作り出した物質を調べる「腫瘍マーカー」がありますが、悪性軟部腫瘍に関しては腫瘍マーカーがありません。
確定診断として病理組織検査(生検)が行われます。
<悪性軟部腫瘍の治療>
悪性軟部腫瘍の治療は悪性度の程度によって治療法が違ってきます。
【底悪性度】
主に手術によって病変を切除します。
術後に放射線療法を行う場合もあります。
【高悪性度】
- 化学療法(抗がん剤治療)
- 手術
- 放射線療法
これらを組み合わせた治療が行われます。
また2012年11月に発売された分子標的治療薬「パゾパニブ」が投与されるケースもあるそうです。
ここまで膝にできる悪性しこりについて見てきましたが、実際にできやすいしこりは良性が殆どです。
悪性との違いを知る意味で、良性しこりも見てみましょう。
4 膝にできる良性しこり
ここでは膝にできる良性しこりの代表的な2つをご紹介します。
【4-1ガングリオン】
ガングリオンは若い女性にできやすい(男性の約3倍)傾向があります。
手に発症が多いですが、膝関節の近くや、膝の裏側などにできることもあります。
ガングリオンは良性のしこり。
ですが、しこりができる場所や大きさなどによって、歩行や立ち座りといった日常生活に支障がでるケースもあります。
しこりの内部は無色透明の液体(ゼリー状)になっています。
<ガングリオンの症状>
ガングリオンの症状は、
- 痛み:基本的に無し(神経の近くにできると、圧迫して痛みを感じることも)
- しこりの色:赤変することは無い
- 大きさ:小さい(稀に大きくなる)
- 硬さ:軟らかいものから硬いものまで
- 膝にできるガングリオンは痛みがでやすい傾向があります。
<ガングリオンの原因>
ガングリオンができる原因は、はっきりとは解明されていません。
ですが、考えられる因子として、
- 関節の使い過ぎ
- ストレス
- 血流障害
などが言われています。
<ガングリオンの検査・診断>
ガングリオンは整形外科で診ていただきましょう。
検査・診断方法は、
- 注射器によるしこり内容物の吸引
- MRI検査
- 超音波エコー検査
<ガングリオンの治療>
ガングリオンは経過をみて自然治癒で治ることが多いですが、しこりの大きさが大きかったり、痛みを伴う場合は、治療の対象です。
治療の方法は、
- 注射器による腫瘍内容物の吸引
- 腫瘍を皮膚の外から押しつぶす(自分でやるのは絶対にやめましょう)
- 腫瘍の摘出手術
【4-2脂肪腫】
膝に軟らかいしこりがある場合、脂肪腫も考えられます。
脂肪腫はその名のとおり脂肪のかたまり。
脂肪細胞が増殖してしこり状になった腫瘍で、40代~50代の女性に多い良性腫瘍です。
子供の頃にできはじめ、徐々に大きくなっていくこともあります。
<脂肪腫の症状>
脂肪腫の症状は、
- 痛み:基本的に痛みはなし(神経の近くにできると痛みを伴うことも)
- 大きさ:豆粒~5センチ超えまで
<脂肪腫の原因>
詳しい原因は解明されていません。
<脂肪腫の検査・診断>
しこりが大きなものや、短期間で大きくなったものは、悪性軟部腫瘍との識別が必要になります。
検査方法は、
- レントゲン検査
- CT検査
- MRI検査
- 病理組織検査:腫瘍の一部を採取して検査
<脂肪腫の治療方法>
脂肪腫は、小さかったり痛みが無い場合は、経過観察になることが殆どです。
目立つ場所など治療が必要な時は、手術で取り除きます。
小さな腫瘍ですと、日帰り手術で済みます。
5 まとめ
ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
それでは最後に、今回のポイントをまとめます。
<悪性軟部腫瘍の症状の特徴>
- しこりに痛みを伴わないケースが多い
- しこりが比較的硬い
- しこりが短期間に大きくなる
- 5cm以上(ピンポン玉を超える)は悪性の可能性がある
- 神経やその近くに発生した場合、しびれ・麻痺を感じることがある
- 膝関節に近い筋肉にできた場合、膝が曲がりにくくなることがある
- 皮膚に近い部分にできた場合(皮膚線維肉腫など)皮膚の変色・潰瘍になることもある
<悪性軟部腫瘍と脂肪腫の似ている点>
- 痛みを伴わないケースが多い
- しこりが5cm以上になることがある
- 腫瘍ができる深さ
しこりが短期間に大きくなって硬い場合は、悪性を疑って、早目に整形外科の腫瘍を専門とする医師がいらっしゃる病院を受診されることをお勧めします。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
(※記事内容の実施に当たりましては、読者様の自己責任により、安全性・有用性を考慮いただいた上で、ご活用お願い申し上げます。)
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