肩のしこりは【悪性リンパ腫】の可能性あり!
何気なく触った肩にしこりを発見!
気になりますよね!
肩のしこりは良性のしこりが多いですが、鎖骨の近くのしこりは悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫)の可能性があります。
悪性リンパ腫は早期治療開始が必要!
ですので、しこりを触って「もしかして悪性?」と疑えることが大切になります。
肩のホジキンリンパ腫を発症しやすい年齢は、20代と50~60代。
2つのピークがあります。
今回は、すぐに診てもらった方が良い【悪性リンパ腫の疑い方・特徴】を中心に、受診科や治療法などについて分かりやすくお伝えします。
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【目次】
1 肩のしこり【悪性リンパ腫の疑い方・特徴】
それではさっそく本題です。
悪性リンパ腫は白血球の中のリンパ球が”がん化”したものです。
肩に発症すると鎖骨の上のリンパ節(鎖骨上窩リンパ節)が腫れます。
悪性リンパ腫のしこりの特徴と疑い方を見てみましょう。
<肩のしこり、良性・悪性の特徴>
下の表は、ご自分でしこりに気づいた時に、「これはもしかして悪性?」と疑った方がよい特徴についてまとめたものです。
「しこりの硬さ」につきましては、自分で触ってこれが硬いのか、軟らかいのかの判断がしづらいかもしれません。
また「しこりの可動性」とは、しこりを横から押したときに、少し動くような感じがするということで、これも個人差もあって分かりづらいかもしれません。
悪性の特徴として、しこりが短期間で大きくなったり、しこりの数が増える場合は特に注意が必要です。
上記の特徴はあくまでも目安としての特徴です。
自己判断で終わらせずに、専門医療機関の受診をおすすめします。
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続きまして、肩の悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫)について見てみましょう。
2 肩の悪性リンパ腫:「ホジキンリンパ腫」とは?
悪性リンパ腫には大きく2種類あり、
- 非ホジキンリンパ腫(全体の9割)
- ホジキンリンパ腫(全体の1割)
鎖骨上に発生するのは少ない方のホジキンリンパ腫です。
発症しやすい年齢は、
- 20歳代
- 50~60歳代
と2つに分かれていて、両年代で増加傾向にあります。
わが国では発症頻度は低く、悪性リンパ腫の約10%程度を占めています。年齢別の罹患(りかん)率は、若年者層(20歳代)と中年層(50~60歳代)の2つの年代で増加傾向があります。
引用:国立がん研究センターがん情報サービス ホジキンリンパ腫より
http://ganjoho.jp/public/cancer/Hodgkin_lymphoma/index.html
(2017/11/19)
発生しやすい部位は、頸部と鎖骨上のリンパ節です。
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<リンパ節とは?>
人体には血管とは別にリンパ管が全身をめぐっています。
リンパ管にはリンパ球を含むリンパ液が流れていて、古くなった細胞を運んだり、体に入ってきた菌やウイルスの処理を行っています。
このリンパ管は、ところどころ集積合流していて、その合流点がリンパ節です。
小豆くらいの大きさで、全身に600ヶ所程度あり、鎖骨の上の「鎖骨上窩リンパ節」もその一つです。
続きまして、ホジキンリンパ腫の症状と原因についてご紹介します。
3 ホジキンリンパ腫の症状と原因
<ホジキンリンパ腫の症状>
ホジキンリンパ腫の典型的な症状は、リンパ節のしこりや腫れで、肩に発生した場合は、鎖骨の上にしこりができます。
痛みが無く、硬くて動かないしこりです。
しこり以外の症状としては、
- 体重減少
- 寝汗を異常に多くかく
- 発熱(発熱したり下がったりを繰り返すことも)
などが出ることがあります。
<ホジキンリンパ腫の原因>
原因はまだはっきりとは解明されていませんが、考えられている要因として、
- 化学物質(殺虫剤、除草剤)
- ウイルス
- 放射線
などがあります。
4 ホジキンリンパ腫の検査と治療法
<ホジキンリンパ腫の検査・診断>
【組織検査】
悪性リンパ腫の確定診断として行われるのが、組織検査(病理検査)です。
腫瘍の一部を採取して、顕微鏡でリンパ腫の病型などを詳細に検査します。
また必要に応じて、遺伝子検査や染色体検査が行われることがあります。
【全身の状態を調べる】
治療に先立って、ホジキンリンパ腫がどこまで広がっているのか、また全身の状態が治療できる状態かを調べます。
具体的な検査は、
- レントゲン検査
- 尿検査
- 血液検査
- PET-CT検査(PET検査)
また病気の広がりが疑われる場合、必要に応じて、
- 胃の内視鏡検査
- 骨髄検査
- 脳脊髄液検査
などの検査が行われることもあります。
<ホジキンリンパ腫の治療法>
ホジキンリンパ腫の治療法に用いられる治療は主に次の2種類です。
- 化学療法:抗がん剤の投与
- 放射線治療:放射線を病変部に照射
病期(ステージ)などの詳細な検査結果をふまえて、上記の方法を組み合わせて治療が行われます。
ここまで肩のしこりの悪性リンパ腫についてご紹介しましたが、肩にできるしこりの多くは良性のしこりです。
悪性との違いを知る意味で、肩にできやすい良性しこりも見てみましょう。
5 肩にできるしこり
ここでは肩にできる他のしこりを2つご紹介します。
5-1粉瘤
肩にできるしこりに「粉瘤」があります。
粉瘤(アテローム)は皮膚良性腫瘍の約8割といわれていて、袋状になった皮下組織に古い角質や老廃物がたまってしこりになったものです。
粉瘤は良性腫瘍。
普通、皮膚の古い角質は、「垢」として皮膚の表面から落ちますが、まれに毛穴の奥にできた袋状組織にたまることがあり、そこが腫瘍・しこりになります。
通常は痛みを伴わないしこりですが、袋状組織内に菌が入り込んで化膿してしまうと赤く腫れ、痛みが出ます。
<粉瘤の症状>
初期症状はかゆみを感じ、その後、しこりができるケースが多いようです。
粉瘤の症状は、
- 痛み:無いことが多い(化膿すると痛む)
- 大きさ:数ミリ~数センチ
- 形:盛り上がるケースと盛り上がらないケースあり
- 色:化膿すると赤く腫れる
- 硬さ:少し硬めで弾力がある
<粉瘤の原因>
粉瘤ができる原因はまだ解明されていませんが、要因として考えられているのが、
- 外傷
- 打撲
- ストレス
- 疲労
などが関係しているのではないかと言われています。
<粉瘤の検査・治療>
粉瘤は、皮膚科か整形外科で検査・治療していただきましょう。
治療はおもに外科手術か抗生物質投与で、手術が必要なケースは、
- 痛みがある
- 炎症を起こして赤く腫れている
- 大きくなっている
手術は日帰りできる簡単なもので、垢がたまった袋状組織を取り除きます。
治療が遅れて炎症を起こすと、治療に苦痛を伴うこともあるそうです。
またごく稀に癌化するケースもあるとのこと。
このしこりは自然に消えることはなく、放っておくと徐々に大きくなります。
大きくなりすぎて、入院手術になったケースも。
痛みを伴う場合はもちろんですが、あまり大きくならないうちに整形外科か手術設備にある皮膚科で診てもらうことをおすすめします。
5-2脂肪腫
脂肪腫は、太ももや腕にできやすいしこりですが、肩にもできます。
脂肪腫はその名のとおり脂肪のかたまりです。
脂肪細胞が異常に増殖して半円形に盛り上がった腫瘍で、40代~50代の女性に多いしこりです。
子供の頃にできはじめ、徐々に大きくなっていくこともあります。
無痛で小さい場合は放置してもかまいません。
脂肪腫は基本的に良性ですが、ごく稀に脂肪肉腫(がん)を伴うこともあります。
<脂肪腫の症状>
脂肪腫の症状は、
- 痛み:基本的に痛みはなし(神経の近くにできると痛みを伴うことも)
- 大きさ:豆粒~5センチ超えまで
- 可動性:触ると動く
複数まとまってできることもあります。
<脂肪腫の原因>
詳しい原因は解明されていませんが、発症者の8割に染色体異常がみられるため、それが原因の1つではないかと疑われています。
体質的にできやすい人と、そうでない人がいます。
<脂肪腫の検査・診断>
脂肪腫の検査方法は、
- レントゲン検査
- CT検査
- MRI検査
- 病理組織検査:腫瘍の一部を採取して検査
脂肪腫は普通、皮膚科で診ていただきますが、しこりが硬く、短期間で大きくなったものは、悪性軟部腫瘍との識別が必要になります。
その場合、皮膚科よりも整形外科の受診をおすすめします。
<脂肪腫の治療方法>
脂肪腫は、小さくて痛みが無く、生活に支障がない場合は、経過観察になります。
治療が必要な場合は、手術で取り除きます。
手術が検討されるケースは、
- 目立つ場所
- 痛みを伴う場合
- 関節の近くにできた時
小さな腫瘍ですと、日帰り手術で済みます。
6 記事を書き終えて
いかがでしたでしょうか?
参考になりましたでしょうか?
私の父は3年前に首に悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)ができて治療を受けました。
最近、顔に同じ細胞が発生して、現在治療中です。
飲み薬を飲んでしこりはだいぶ小さくなりました。
肩にできるしこりの多くは粉瘤などの良性腫瘍ですが、稀に悪性のしこりができることもあります。
悪性の場合、早期治療開始が大切。
疑わしいしこりは早目に診てもらうことをおすすめします。
しこりは体の色んな部位にできます。
もし首や脇の下、足の付け根などにできた場合、【悪性リンパ腫】の可能性もあります。
くわしい記事を下記でご紹介しておりますので、是非ご覧ください。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
(※記事内容の実施に当たりましては、読者様の自己責任により、安全性・有用性を考慮いただいた上で、ご活用お願い申し上げます。)
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