頬のしこりは悪性脂肪肉腫の可能性あり!
2018/01/29
洗顔時に頬にしこりを発見!
良性か悪性か気になりますよね!
頬にできるしこりの多くは良性のしこりですが、稀に悪性の「脂肪肉腫」や「粉瘤の癌化」が発生する場合があります。
私の父も先日、頬にしこりができて、診てもらったら悪性と診断され、現在治療中です。
今回は、頬にできる稀な悪性腫瘍:「脂肪肉腫」の疑い方を中心に、受診科などについて、分かりやすくお伝えします。
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【目次】
1 頬の悪性しこり「脂肪肉腫」の疑い方
それではさっそく本題です。
<脂肪肉腫とは>
脂肪肉腫(しぼうにくしゅ)とは、脂肪細胞に類似した腫瘍細胞が増殖したものです。
良性しこりの「脂肪腫」と病名は似ていますが、別のしこりです。
脂肪肉腫は軟部組織にできる「悪性軟部腫瘍」の一種。
(悪性軟部腫瘍につきましては、後ほど詳しくご紹介します)
<頬の脂肪肉腫、症状の特徴>
頬にできる稀な悪性しこり:「脂肪肉腫」の症状の特徴は、
・しこりに痛みを伴わないケースが多い
・しこりが比較的硬い
・しこりが短期間に大きくなる
・5cm以上(ピンポン玉を超える)は悪性の可能性がある
・神経やその近くに発生した場合、しびれ・麻痺を感じることがある
・しこりの外周がギザギザしていて、境目が分かりにくい
<良性の脂肪腫と似ている点>
悪性の脂肪肉腫の症状は、良性の「脂肪腫」と以下の点で似ています。
- 痛みを伴わないケースが多い
- しこりが5cm以上になることがある
- 腫瘍ができる深さ
<脂肪肉腫を疑うポイント>
脂肪腫と似ている症状を除くと、脂肪肉腫を疑うべきポイントは、
- しこりが短期間に大きくなる(週単位)
- しこりが硬い
この二つがそろっている場合、悪性を疑ったほうがよさそうです。
※上記はあくまでも傾向で、脂肪肉腫の確実な症状ではありません。人によっては別の症状がでる場合も考えられます。
また腫瘍が大きくなるスピードおよび硬さにつきましても、自分で判断しにくい部分もあるかもしれません。
脂肪肉腫はしこりが痛くないため、大きくなって(がんが進行して)やっと病院に行くケースも多いそうです。
治療が遅れて進行すると、肺などに転移して、命に関わることも。
「もしかして悪性?」と思った時は、早目に専門医療機関の受診をお勧めします。
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2 頬の悪性しこり「粉瘤の癌化」とは?
頬にできるしこりに「粉瘤」があります。
(粉瘤につきましては、後ほど詳しくご紹介します)
粉瘤は別名:「アテローム」「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」
皮膚良性腫瘍の約8割といわれていて、袋状になった皮下組織に古い角質や老廃物がたまってしこりになったものです。
粉瘤の殆どは良性ですが、稀に大きくなって癌化することがあります。
- 2005年:足底部の粉瘤が癌化
- 2008年:おしりの粉瘤が癌化
- 2010年:粉瘤癌化の報告あり
最近では、毎年のように粉瘤の癌化が報告されているとのこと。
癌化は稀ですが、粉瘤と診断されたら早目に摘出手術を受けることをお勧めします。
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3 頬のしこりは何科を受診?
頬のしこりの手術は、傷あとをできるだけ目立たなくする必要があります。
ですので、
- 皮膚科専門医
- 形成外科専門医
- 皮膚腫瘍外科指導専門医
の資格をお持ちの医師がいらっしゃる病院がお勧めです。
また悪性が疑われる場合は、整形外科の腫瘍を専門とする医師がいらっしゃる病院もお勧めです。
悪性腫瘍は進行スピードが速く、肺などに転移しやすいため、早期治療開始が大切。
初回から上記の医療機関で診ていただくことをお勧めします。
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続きまして、頬にできやすいしこり2つと、悪性軟部腫瘍についてご紹介します。
4 頬のしこり
4-1脂肪腫
頬に軟らかいしこりがある場合、脂肪腫も考えられます。
脂肪腫はその名のとおり脂肪のかたまり。
脂肪細胞が異常に増殖して半円形に盛り上がった腫瘍で、40代~50代の女性に多いしこりです。
子供の頃にできはじめ、徐々に大きくなっていくこともあります。
無痛で小さい場合は放置してもかまいません。
脂肪腫は基本的に良性ですが、ごく稀に脂肪肉腫(がん)を伴うこともあります。
<脂肪腫の症状>
脂肪腫の症状は、
- 痛み:基本的に痛みはなし(神経の近くにできると痛みを伴うことも)
- 大きさ:豆粒~5センチ超えまで
- 可動性:触ると動く
複数まとまってできることもあります。
<脂肪腫の原因>
詳しい原因は解明されていませんが、発症者の8割に染色体異常がみられるため、それが原因の1つではないかと疑われています。
体質的にできやすい人と、そうでない人がいます。
<脂肪腫の検査・診断>
脂肪腫の検査方法は、
- レントゲン検査
- CT検査
- MRI検査
- 病理組織検査:腫瘍の一部を採取して検査
脂肪腫は普通、皮膚科で診ていただきますが、しこりが硬く、短期間で大きくなったものは、悪性軟部腫瘍との識別が必要になります。
その場合、皮膚科よりも整形外科の受診をおすすめします。
<脂肪腫の治療方法>
脂肪腫は、小さくて痛みが無く、生活に支障がない場合は、経過観察になります。
治療が必要な場合は、手術で取り除きます。
手術が検討されるケースは、
- 目立つ場所
- 痛みを伴う場合
- 関節の近くにできた時
小さな腫瘍ですと、日帰り手術で済みます。
4-2粉瘤
頬にできるしこりに「粉瘤」があります。
粉瘤(アテローム)は皮膚良性腫瘍の約8割といわれていて、袋状になった皮下組織に古い角質や老廃物がたまってしこりになったものです。
粉瘤は良性腫瘍。
普通、皮膚の古い角質は、「垢」として皮膚の表面から落ちますが、まれに毛穴の奥にできた袋状組織にたまることがあり、そこが腫瘍・しこりになります。
通常は痛みを伴わないしこりですが、袋状組織内に菌が入り込んで化膿してしまうと赤く腫れ、痛みが出ます。
<粉瘤の症状>
初期症状はかゆみを感じ、その後、しこりができるケースが多いようです。
症状は、
- 痛み:無いことが多い(化膿すると痛む)
- 大きさ:数ミリ~数センチ
- 形:盛り上がるケースと盛り上がらないケースあり
- 色:化膿すると赤く腫れる
- 硬さ:少し硬めで弾力がある
<粉瘤の原因>
粉瘤ができる原因はまだ解明されていませんが、要因として考えられているのが、
- 外傷
- 打撲
- ストレス
- 疲労
などが関係しているのではないかと言われています。
<粉瘤の検査・治療>
粉瘤は、皮膚科か整形外科で検査・治療していただきましょう。
治療はおもに外科手術か抗生物質投与で、手術が必要なケースは、
- 痛みがある
- 炎症を起こして赤く腫れている
- 大きくなっている
手術は日帰りできる簡単なもので、垢がたまった袋状組織を取り除きます。
治療が遅れて炎症を起こすと、治療に苦痛を伴うこともあるそうです。
またごく稀に癌化するケースもあるとのこと。
このしこりは自然に消えることはなく、放っておくと徐々に大きくなります。
大きくなりすぎて、入院手術になったケースも。
痛みを伴う場合はもちろんですが、あまり大きくならないうちに整形外科か手術設備にある皮膚科で診てもらうことをおすすめします。
4-3悪性軟部腫瘍
脂肪肉腫を含む「悪性軟部腫瘍」は全身のあらゆる部位に発生します。
悪性軟部腫瘍は別名「軟部肉腫」
骨や内臓を除く、筋肉や皮下組織にできる悪性の腫瘍(がん)です。
胃がんと比べると、患者数は圧倒的に少なく、約1/60。
特にできやすい部位は、
- 大腿部
- 殿部
- 膝から足首までの部分
- 上腕部
- 肘から先の部分
- 腰背部
軟部肉腫は皮下組織や筋肉などの軟部組織と言われるところから発生する悪性腫瘍です。全身のあらゆる部位に発生し、約60%は四肢(うち2/3が大腿部などの下肢)に発生すると言われています。
引用:国立研究開発法人国立かん研究センター希少がんセンター 軟部の肉腫とはより
http://www.ncc.go.jp/jp/rcc/01_about/soft_tissue_sarcomas/index.html
(2017/08/27)
<軟部腫瘍の原因>
軟部腫瘍の原因は、はっきりとは分かっていませんが、近年の研究から、遺伝子の変異が関わっているのではないかと指摘されているそうです。
また、他の病気の治療で行われた放射線治療で、放射線が当てられた場所に悪性軟部腫瘍ができた事例もあり、放射線も一つの原因と考えられています。
<悪性軟部腫瘍の検査・診断>
悪性軟部腫瘍の検査には、2つの検査が行われます。
- 画像検査:X線撮影、CT、MRI、PET-CT
- 病理組織検査:腫瘍の一部を採取して検査
上記の検査に加えて、正確を期すために遺伝子検査を行う場合もあります。
がんの血液検査には、がんが作り出した物質を調べる「腫瘍マーカー」がありますが、悪性軟部腫瘍に関しては腫瘍マーカーがありません。
確定診断として病理組織検査(生検)が行われます。
<悪性軟部腫瘍の治療>
悪性軟部腫瘍の治療は悪性度の程度によって治療法が違ってきます。
【底悪性度】
主に手術によって病変を切除します。
術後に放射線療法を行う場合もあります。
【高悪性度】
- 化学療法(抗がん剤治療)
- 手術
- 放射線療法
これらを組み合わせた治療が行われます。
また2012年11月に発売された分子標的治療薬「パゾパニブ」が投与されるケースもあるそうです。
5 まとめ
ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
それでは最後に、今回のポイントをまとめます。
<脂肪肉腫の症状の特徴>
- しこりに痛みを伴わないケースが多い
- しこりが比較的硬い
- しこりが短期間に大きくなる
- 5cm以上(ピンポン玉を超える)は悪性の可能性がある
- 神経やその近くに発生した場合、しびれ・麻痺を感じることがある
- しこりの外周がギザギザしていて、境目が分かりにくい
<脂肪肉腫と脂肪腫の似ている点>
- 痛みを伴わないケースが多い
- しこりが5cm以上になることがある
- 腫瘍ができる深さ
<脂肪肉腫を疑うべき症状>
- しこりが短期間に大きくなっている(週単位)
- しこりが比較的硬い
この二つがそろっている場合、悪性を疑ったほうがよさそうです。
※上記はあくまでも傾向で、脂肪肉腫の確実な症状ではありません。人によっては別の症状がでる場合も考えられます。
また腫瘍が大きくなるスピードおよび硬さにつきましても、自分で判断しにくい部分もあるかもしれません。
「もしかして悪性?」と思ったら、早目に専門医療機関の受診をお勧めします。
6 記事を書き終えて
いかがでしたでしょうか?
参考になりましたでしょうか?
頬にできるしこりの殆どは良性ですが、稀に悪性のしこりができることもあります。
悪性の場合、早期治療開始が必要です。
疑わしいしこりは早目に診てもらうことをおすすめします。
悪性のしこりは全身の色んな部位にできる可能性があります。
くわしい記事を下記でご紹介しておりますので、是非ご覧ください。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
(※記事内容の実施に当たりましては、読者様の自己責任により、安全性・有用性を考慮いただいた上で、ご活用お願い申し上げます。)
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